39.対潜護衛空母 ”佐世保”
1.横須賀 (よこすか・旧三池丸) 三菱江南 昭和16年9・30 (1941)
2.佐世保 (させぼ・旧三島丸) 播磨造船所 昭和16年10・15 〃
3.呉 (くれ ・旧阿波丸) 大阪鉄工所 〃 16年10・23 〃
4.舞鶴 (まいづる・安芸丸) 函館船渠 〃 16年11・18 〃
※以上4隻は貨客船として進水後、空母に改造
5.大湊 (おおみなと) 日本鋼管鶴見 〃 16年11・23
6.大連 (だいれん) 横浜船渠 〃 16年12・08
7.神戸 (こうべ) 日立因島 〃 16年12・24
8.長崎 (ながさき) 新潟鉄工 昭和17年01・10 (1942)
9.横浜 (よこはま) 尼崎船渠 〃 17年01・22
10.名古屋 (なごや) 名古屋造船 〃 02・12
11.倉敷 (くらしき) 浅野造船 〃 02・22
12.鎌倉 (かまくら) 三光造船所 〃 03・06
13.広島 (ひろしま) 大阪鉄工所 〃 03・28
14.博多 (はかた) 函館船渠 〃 04・03
15.鹿児島 (かごしま) 横浜船渠 〃 04・18
16.大阪 (おおさか) 日立因島 〃 05・07
17.岡山 (おかやま) 新潟鉄工 〃 05・18
18.静岡 (しずおか) 尼崎船渠 〃 06・13
19.青森 (あおもり) 三光造船所 〃 06・16
20.小田原 (おだわら) 名古屋造船 〃 07・20
【要目】
総トン数11,409㌧ 満載排水量19,750㌧ 全長165.25m 幅20m 吃水9.3m
機関 ディーゼル2基2軸 出力15,000馬力 速力22.8ノット 飛行甲板長さ149.3×幅27.2m
【兵装】
戊式40㎜連装機関砲×23基(46門) 搭載機33機(戦闘機15機・艦攻又は艦爆18機)
カタパルト41mⅢ型(艦爆艦攻用)、37m1型改各一基
海上護衛総隊が初めて建造に関与した空母である。空母改造に適した全長160m程の船体を探したところ、三菱長崎で建造中の三池丸(後の阿波丸級)が選ばれ、これを戦時標準2型として対潜用の空母に改造することになった。速力が20㌩を超えたこと、幅が20mあったことが主な理由であったが、2番艦三島丸(後の佐世保)の建造中から大幅な簡易構造になっており、改造が容易であったことが挙げられる。煙突は着艦時の気流に配慮したもので、飛龍、蒼龍と同じ下方に折り曲げた方式のものである。
三菱江南造船所で初めて建造された艦であるが、建造中から簡易型への移行を考慮し、一般造船所で建造できるよう設計図及び各種の治具が作成され全国各所に配布された。この結果、大型艦であるにもかかわらずブロック建造が採用され起工から進水まで6ヶ月で進水が可能であった。
カタパルトは当初は赤城、加賀や飛龍などで使っていたもの再生品である。しかし、護衛空母としては哨戒機“東海”の運用も考えられた為、この双発機の発進が可能なように37m級の改造型が設置され、その後新鋭攻撃機の発進可能な41m級Ⅲ型が左舷に取り付けられた。
戦闘機は零戦が基本であったが、飛行甲板幅が大きいため海上護衛司令部の要請で4式戦疾風改、改5式戦など陸軍機の海軍仕様機(脚、翼強化、着艦フック取付)が載ることもあった。昭和18年以降は紫電改がメインとなった。艦攻・艦爆は97式艦攻からはじまり、その後彗星が割り当てられたが対潜用には速度が速すぎて、艦によってはカ号哨戒機を搭載することもあった。最終的には紫電改と流星がメインとなった。流星の中部に磁気感知式対潜装置の装備し磁気感知で潜水艦を発見する装置である。
本級は海上護衛総隊が最初に整備した20隻でありこの後タンカー改造も加わることになった。
というのが対潜護衛空母“佐世保”級のあらましであります。艦名には相当悩みました。最初は“龍”をつけようかと辞書をめくってみたのですが、また正規空母と混同するのが厄介だと思い、初めて都市名を付けてみました。始めは都市名の後に“丸”をつけたのですが、空母としてはどうもしまらないので“丸”は取りました。如何でしょう?
造船所も調べたらかなり沢山あって戦標船は各地で造られていたことが分かりました。今は統合されたか、廃業したかでない名前もありましたが、とにかく量を造らなければなりませんので構わず建造してもらうことになってしまったのです。これだけ、艦が増えると艦長になる人材確保は大変なことが分かります。で、艦長は輸送総隊からの推薦で商船大学出の船長があたり、各大学出身の文科系生徒も採用の対象になりました。商船学校も急遽生徒の大量獲得に走ったことは言うまでもありません。
蛇足ですが、ソナーの搭載も検討しましたが海防艦および松型駆逐艦に任せれば事足りると考えて乗せませんでした。