35.新艦隊駆逐艦 “潮” 型

1 潮   ( うしお ) 舞鶴 昭和18年(1943) 01・15
2 夏潮 (なつしお) 藤永田 昭和18年(1943) 01・20
3 夕潮 (ゆうしお) 浦賀船渠 昭和18年(1943) 01・27
4 早潮 (はやしお 舞鶴 昭和18年(1943) 01・29
         
5 うず潮(うずしお) 藤永田 昭和18年(1943) 02・05
6 巻潮 (まきしお) 浦賀船渠 昭和18年(1943) 02・18
         
7 春潮 (はるしお) 神戸川崎 昭和18年(1943) 03・03
8 八重潮(やえしお 舞鶴 昭和18年(1943) 03・11
9 灘潮 (なだしお) 横浜船渠 昭和18年(1943) 03・18
         
10 朝潮 (あさしお) 石川島 昭和18年(1943) 04・05
11 大潮 (おおしお) 佐世保 昭和18年(1943) 04・10
12 清潮 (きよしお) 石川島 昭和18年(1943) 04・18
         
13 黒潮 (くろしお) 藤永田 昭和18年(1943) 05・03
14 秋潮 (あきしお 舞鶴 昭和18年(1943) 05・11
15 冬潮 (ふゆしお) 浦賀船渠 昭和18年(1943) 05・22
         
16 鳴潮 (なるしお) 石川島 昭和18年(1943) 06・13
17 高潮 (たかしお) 横浜船渠 昭和18年(1943) 06・19
18 瀬戸潮(せとしお) 神戸川崎 昭和18年(1943) 06・27
         
19 望潮 (もちしお) 藤永田 昭和18年(1943) 07・07
20 沖潮 (おきしお) 舞鶴 昭和18年(1943) 07・14
21 玉潮 (たましお) 浦賀船渠 昭和18年(1943) 07・21
         
22 濱潮 (はましお) 石川島 昭和18年(1943) 08・05
23 時潮 (ときしお) 横浜船渠 昭和18年(1943) 08・14
24 幸潮 (さちしお) 舞鶴 昭和18年(1943) 08・21
         
25 引潮 (ひきしお) 佐世保 昭和18年(1943) 09・09
26 満潮 (みちしお) 浦賀船渠 昭和18年(1943) 09・18
  (現満潮改名→朧・おぼろ)      
27 荒潮 (あらしお) 横浜船渠 昭和18年(1943) 09・28
         
28 親潮 (おやしお) 藤永田 昭和18年(1943) 10・05
29 磯潮 (いそしお) 石川島 昭和18年(1943) 10・18
30 上潮 (あげしお) 舞鶴 昭和18年(1943) 10・21
         
31 天潮 (あましお) 浦賀船渠 昭和18年(1943) 11・03
32 伊勢潮(いせしお) 舞鶴 昭和18年(1943) 11・08
33 永潮 (ながしお) 神戸川崎 昭和18年(1943) 11・13
34 青潮 (あおしお) 佐世保 昭和18年(1943) 11・16
35 雪潮 (ゆきしお) 石川島 昭和18年(1943) 11・20
36 有明 (ありあけ)Ⅱ型 舞鶴 昭和18年(1943) 11・26
37 夕暮 (ゆうぐれ)Ⅱ型 神戸川崎 昭和18年(1943) 12・04

以後Ⅱ型3850
Ⅲ型5170まで

要目
基準排水量2,350㌧  満載排水量3,180㌧  全長121.8m      11.2m 吃水4.3
艦本式ギアードタービン22軸  出力6万馬力  最高速力35㌩ 重油600㌧  
航続距離18㌩で4500

【兵装】
 65口径10.5㎝連装中間砲×3基 40㎜連装機関砲×4基   253連装機銃×5
   零式
61㎝4連装魚雷発射管×1基  53㎝対潜磁気短魚雷×6基 
 零式
1516連装対潜噴進砲×2基 ※噴進弾320/砲(20回分)

 海軍は開戦以前より既存の朝潮型 ・ 夕雲型 ・ 島風型 ・ 秋月型を整備し、開戦後は松 ・ 楡型を大量建造によって追加してきた。それらは合計450隻強という駆逐艦勢力となった。昭和13年に98式10.5㎝連装高角砲(長10㎝砲)が完成すると3年式50口径12.7cm連装砲搭載艦は順に搭載砲を対空戦闘に優れた長10㎝に換装し、併せて昭和16年に戊式40㎜機関砲が導入されると25㎜機銃をこれに換装し、世界最高の対空防御陣を作り上げた。しかし、17年~18年には対空防御の弱い駆逐艦の損失が多くなり、戦線の拡大によって損失は更に拡大することが予想された。中でも島風型や秋月型駆逐艦は対潜戦闘と対空戦闘に特化したため能力に偏りが生じ、魚雷戦に対しては機能しなくなってしまった。戦闘現場で駆逐艦による水雷戦闘が生起することはなかったが、魚雷を使う場面はまま発生し、魚雷の破壊力は捨てがたいと思われた。
 一方、魚雷の進歩は誘導型酸素魚雷の実用化、対潜用磁気感知魚雷の開発など日進月歩であり再び攻撃兵器として息を吹き返してきた。これらの諸要件から対応を求められた艦政本部は“島風”型を小型化し、魚雷発射管(4門)を搭載した艦隊型駆逐艦を短時間に建造する計画を実行した。これが“潮”型駆逐艦の建造である。設計は昭和17年3月末より始まり2ヶ月で設計を終了し5月末にはもう起工された。月産3~6隻のペースで建造し18年1月から19年12月までに70隻が竣工した。なお建造時期により潮型 ・ 朝霧Ⅱ型 ・ Ⅲ型の3タイプに分けられる。

 さて私の解説です。上記のような過程で建造されましたがこの艦は様々な新機軸が盛り込まれております。魚雷発射管ですがこれは九二式を改良したものです。発射する魚雷は音響ホーミング機能が付いた61㎝長酸素魚雷と陸軍が開発した磁気感知型爆雷に機関部をつけた対潜短魚雷です。搭載する時には径61㎝のケースに入っていますが、発射後それが外れる仕掛けになっており、装備の重複問題を解決しています。零式16連装対潜噴進砲と共に使用することで効果を上げました。
 10.5㎝砲をあえて中間砲としたのは米国の標記を真似たものです。このように砲も自動化され、装填時間や距離が改良されてくると日本海軍でも15.5㎝や12.7㎝などを単装化して装備したくなりますね。でも空母ミッドウェーや戦後の護衛艦に積んだMk3954口径みたいな不細工な砲は嫌ですけど...

 このように新型艦を作ると駆逐艦は隻数が多いので艦名に苦労します。松型では一番苦労しました。ですから今回は18年19年20年と艦名も3タイプに分けるつもりです。でも都市名はなぜ付けなかったのでしょうかね?
 最初は島風の船体を短くすればよしとするつもりでしたが、レーダー機器などの搭載による艦橋の大型化、短魚雷の搭載位置を何処にするかなどで悩みまして短島風では対処できなくなり新たに考えて作りました。島風ムードは残したかったので艦橋前部などはそのままです。短魚雷は長魚雷の上に俵積状態です。ここに敵弾が来たら一発で轟沈ですね。逃げ道はありますけど・・・。1番困ったのは40㎜機関砲の射撃指揮装置を艦橋に載せると護衛艦ゆきかぜ風になってしまうのです。書いている途中で不思議な気持ちになるのです。やはり、海自の護衛艦には旧海軍の血が流れていることを感じました。で6月にお届けする艦は駆逐艦“潮”型になりました。夕雲やイ-400も待機中です。

追記:
潮型駆逐艦の艦名について以前発表した秋月型と重複していることが分かり秋月型3艦を改名します。
18年竣工分 朝潮Ⅱ→ 小夜月(さよつき)色っぽい!中々軍艦には付けにくいがまぁ仕方がないです。  
荒潮Ⅱ→ 七夕(たなばた)  早潮Ⅱ→ 十五夜(じゅうごや)といたします。