23.大鳳・1944年時
大鳳 神戸川崎 昭和16年(1941) 12.10 竣工
祥鳳 横須賀 昭和17年(1942) 2.8 竣工
瑞鳳 三菱長崎 昭和17年(1942) 1.24 竣工
龍鳳 三菱長崎 昭和17年(1942) 6.13 竣工
駿河 佐世保 昭和17年(1942) 5.10 竣工
尾張 大連 昭和18年(1943) 9.3 竣工
若狭 室蘭 昭和18年(1943) 11.7 竣工
土佐 三菱長崎 昭和18年(1943) 11.10 竣工※
出雲 室蘭 昭和18年(1943) 2.2 竣工
上総 神戸川崎 昭和19年(1944) 1.15 竣工
薩摩 呉 昭和19年(1944) 1.19 竣工
相模 横須賀 昭和19年(1944) 6.4 竣工
近江 神戸川崎 昭和19年(1944) 8.1 竣工
紀伊 長崎・・・ 建造中止・G14へ
安芸 呉・・・ 建造中止・G14へ
このクラスの空母も先に書き換えた軽空母伊吹級同様、第一刊ではお粗末な図面をお目にかけてしまいました。ここに改めて最新版を発表します。本艦の建造経緯も伊吹と同じく第一刊に書きましたのでもう一度ご覧になって頂けたらと思います。
本級は15隻が計画され13隻が竣工しました。艦名、建造所、日時、西暦を記してあります。大鳳の姉妹艦が実史での改造空母の名前になっていることを変だなと思っている方もいるとは思いますが祥鳳、瑞鳳、龍鳳もおおとり族ですし、過去にあった艦名なので残したかったのです。ただ、伊吹級とペアで戦隊を組むとどっちが大型の正規空母か分からなくなる難点はありますが・・・。それにしても龍鳳とはどうゆう意味なのか良く分かりません。
途中から艦名を国名にしましたが、海上の王者が航空母艦になったのだからいつまでも仮想の鳥名じゃおかしいでしょ?という理由が一つ。重巡も多数建造するので、山の名前も無くなり艦名に困ったというのが2つ目の理由です。護衛艦いずも・かが・が旧国名なったことと同じです。本稿を作成して空母や重巡を多数建造すると艦名に困ることに気づきました。10番艦の“上総”は昔、世界の艦船の故石渡編集長が昔、編集後記で「千葉の出身なので“上総”と言う名の戦艦があったらいい。」と書いていたのを覚えていたからです。その他は軍港所在地の国名を採用しました。“紀伊”は戦艦が完成しますので何か他の名前に変えないといけないでね。
瑞鶴の図面はかなり多数ありましたが基本は世界の艦船から拝借しました。艦橋は軍艦メカニズム・日本の航空母艦の長谷川藤一氏の図面からです。第一刊では大鳳の艦橋を使いましたが5021号艦のそれの方が近代的でカッコいいと思ったからです。案の定、前作とは印象が違ってきました。英国空母に印象が似ていると思います。それにしても“翔鶴”級の艦首のラインは素晴らしいですね。こんなに綺麗なクリッパー艦首は他にありません。昭和12年計画の軍艦は大和、大淀等それぞれ良い顔を持っています。
ところで本艦なのですが、書いているうちに祥鳳や駿河が次第に幻術になってきましてエセックス級にライバル心を燃やすのです。それで次第に大型化してしまいました。以下に要目を記します。
※カッコ内はエセックス級のものです。
基準排水量33,675㌧(27,100) 全長270.5m(270.7) 水線幅30.0m(水線)(28.4最大45) 吃水8.9m(8.4) 機関 艦本式蒸気タービン4機4軸 出力16万馬力(15万) 速力33ノット(同) 燃料搭載量5500トン 航続距離18ノットで9,700浬(15ノットで15,440海里)
カタパルト×2基 飛行甲板 長さ265.7m×最大幅36.7m(前部22.5後部28m)
兵装 65口径10.5cm連装高角砲×8基(16)
戊式40mm連装機関砲×15基30門(32~68)
25㎜単装機銃×40基
搭載機1943年
紫電改×18機 烈風×27機 天山艦攻×9機 流星×18機 予備機6機 計78機
同1944年
烈風×36機 流星×32機 予備機6機 計74機
大鳳(改瑞鶴)は従来の空母と違って飛行甲板の幅を思いっきり大きく取りました。瑞鶴の朝顔形の艦首が広いからです。そのため飛行甲板前端も22.5mとれました。米空母を見ると護衛空母ですら飛行甲板の幅は30mが最低です。カサブランカ級などは34m以上で飛行甲板前端までF-6を4機も並べて載せている姿をご覧になったはずです。これに比べても日本の空母は飛行甲板が狭すぎるし、搭載機の翼のたたみ方にも工夫が足りないような印象を受けます。本稿ではそれが可能で紫電改、烈風、天山、流星などは高馬力化によって折りたたみ構造も強化・変更されています。無論グラマン方式です。
ところで米空母の構造は船体と居住区(ギャラリーデッキ)の間に格納庫があり、つまり言い方を変えると船体と居住区がパンで格納庫はハムにあたるような構造になっています。そして各種装置や兵器等はギャラリーデッキと一体になって、そのベランダ(パンの耳)に付いている構造です。だから、日本の空母のような機関砲の支え柱があまり見えません。スポンソンがいきなりついている構造です。今回はこの構造を一部採用し、格納庫の拡大と舷側の一部をシャッター化しました。これで実史のようなガス爆発による損失を回避しています。ダメージコントロール能力は大幅に向上しました。
カタパルトですが伊吹型同様の油圧型を搭載しています。長さは34mで攻撃機も戦闘機も射出可能です。第一刊で蒸気式と記したのは誤りで訂正します。いくら仮想でもこの時期、蒸気カタパルトが出来るはずはありません。イー400がドイツからイタリアに行くはずのものを取ってきて、改良したカタパルトなんですから・・・。それでもこのカタパルトのお蔭で低速での発艦も可能になり、それは当然護衛空母にも応用でき、大量建造につながるわけですが、ここでは宿題にしておいて下さい。また、速力も33㌩で充分になり艦隊の最高速度も28㌩発揮でOKとなりました。速度による艦隊編成の壁が低くなったということになりました。
次にレーダーですが対水上型4号、対空型5号、高度測定型6号と3機種各々2基を艦橋上部と左舷飛行甲板中央部に搭載しています。このレーダーの性能については第一刊に記しています。イー400独派遣作戦の成功は様々な新技術を海軍にもたらしましたが、電信技術もカタパルト同様大躍進し、1944年時点ではほぼ米英に追いつくことができました。探査距離も引けを取りません。
結果として13年度の改計画が功を奏して、海軍は1944年時 大鳳型13隻+翔鶴型2隻+伊吹型10隻+従来空母6隻(隼鷹型含む)合計31隻の攻撃型空母を保有することになり、2000機ほどの航空兵力を配備できることになりました。
お約束の艦隊(戦隊)編成ですがまだできておりません。今しばらく時間を頂きたいです。正月明けには発表できると思います。