18.対潜駆逐艦島風Ⅰ型・Ⅱ型 

 島風  神風  旗風    ・・・第80対潜駆逐隊
 朝風  灘風  春風    ・・・第81対潜駆逐隊   
 秋風  冬風  海風    ・・・第82対潜駆逐隊
 追風(おいて) 疾風(はやて) 山風 ・・第83 〃
 江風(かわかぜ)涼風 松風 ・・・第84  〃   
 沖津風 霜風  大風    ・・・第85  〃
 朝東風(あさごち)太刀風 西風・・第86  〃  以上Ⅰ型(発射管後部)

 南風(はえ)北風 早風   ・・・第87対潜駆逐隊  
 夏風  華風(はなかぜ)葉風(くさかぜ)・・第88対潜駆逐隊
 
沖風  汐風  沼風    ・・・第89対潜駆逐隊
 峰風  波風  野風    ・・・第90対潜駆逐隊
 東風(こち)浦風 羽風   ・・・第91  〃
 
菊風  天津風  巻風  時津風…第92  〃  以上Ⅱ型(発射管前部)

 【要目】
基準排水量2,600㌧  全長129.5m   幅11.2m    吃水4.1m 
艦本式ギアードタービン2基 2軸   65,000馬力   速力35㌩ 
重油850㌧  18㌩で9000浬  

【兵装】
64口径10.6㎝連装高角砲 3基  戊式40㎜連装機関砲 4基 
25㎜3連装機銃5基  15㎝9連装対潜噴進砲4基(135発15連射) 
乗員297名

 対空駆逐艦秋月の項で15㎝対潜噴進弾とその砲架についての開発とその実用化について述べましたが、制式採用された昭和17年4月からは“島風型”にも搭載されました。対潜艦として改造時された時には、砲をただ65口径10.5㎝連装高角砲に換装、魚雷発射管5連装2門を撤去しそこにY砲装備しただけでした。“これでは戦えぬ”という水雷戦隊司令も出る始末。

(水雷戦隊としての駆逐艦は既に不要でしたが…。その後水雷戦隊の名称は廃止された。)

しかし、対潜噴進砲の採用と共に艦橋側面に2基、後部艦橋に2基合計4基を搭載し、合わせて新たに戊式40㎜連装機関砲4基、25㎜3連装機銃5基を搭載、艦橋前の13㎜機銃は撤去しました。更に艦橋後部のマストの下部の空間を利用し電探室を設け、電探そのものも新式の4号改(対空)・5号改(対水上)に更新しました。また対潜機器も新型に更新されたため艦橋後部を拡幅しています。同時にマストは基部を残して上部を改良し、電探の干渉を減らす構造としました。図面では22号が搭載されていますが19年からは上記の改良型になりました。2015年8月発行の“第2次大戦の日本軍艦”の中で秋月型の一艦がこのような電探室の増設をして竣工しています。実史でも駆逐艦の艦橋は電測機器の設置によって手狭になっていたようです。

 島風型と秋月型が改翔鶴型である“上総”や潜水母艦や水上機母艦を同一船体で連続建造した伊吹型空母“天城”の護衛にあたる姿を夢見ていました。第二刊ではその夢を叶えたかったのですがやっと実現しました。夢見心地!

先導には重巡大山(浅間型)、後尾に改大淀型の軽巡仁淀。島風型対潜駆逐艦海風、追風、疾風と秋月型防空駆逐艦高月、長月,涼月が左右について輪形陣を構成する。私が描きたかった機動部隊はこれです。これが4戦隊もあるのです…。しかも、2群はできるはずです。空母16隻 艦載機880機。大機動部隊です。たぶんすごい戦闘になったでしょう。これで初めて米海軍と五分で戦う聯合艦隊ができました。場所は多分ギルバート諸島になるでしょう。ここら辺は和泉祐司氏が著した「帝国海軍激戦譜」と符合してきます。私はあの本を3回くらい読みました、傑作です。

 島風型は当初35隻が計画されたが戦局と共に増加し、5隻増の40隻が竣工した。船型が大型でゆとりがあったので武装の変更や増設にも対応が容易であった。速度は当初計画の40㌩から35㌩に落ちたが、機動部隊護衛にはなんら問題はなかった。完成当初は本艦の同型のみで部隊を作っていたが、護衛すべき機動部隊が増加したため19年(1944年)以降は松型駆逐艦を引き連れた司令艦となった艦もある。魚雷発射管を煙突の後部に装備した艦が1型、中間に装備した艦がⅡ型である。各型とも魚雷の次発装置は廃止し、その位置を利用して戊式40mm連装機関砲4基を装備している。ボフォース社が作ったこの機関砲は傑作であり、敵が目標を確定する3,000~4,000という中間空域への射撃が非常に有効であることが判明した。この砲と弾丸がイ-400によって運ばれてきたことは既に述べた。無論、VT信管と同性能の信管付40㎜銃弾はわが国でも開発され、更にこの信管は10.5㎝や5吋砲弾にも採用されている。実史では25㎜機銃しかない為多数の命中弾を受けたがこの刊ではそれはない。この改造により秋月型との違いは発射管の有無だけになった。防空艦や対潜艦というジャンルは機関砲や銃などの増設、併せて探知機器の装備によってなくなりつつある。