4.改大鳳型

 いわゆる5021号艦5隻ですがこの艦型のままで完成したら、英海軍のイラストリアス級と同じ運命になったはず。すなわち、飛行甲板防御を施したため船体全体の乾舷(深さ)が低く、格納庫の高さが低いため搭載機の大型機化に対応できず早々と退役するしかなかったでしょう。

将来的なことを考えた場合5m強の格納庫の高さが必要であり、この点では完全に米海軍に先見の明がありました。そもそも装甲空母というものがいかに設計上難しい選択であったか設計者の苦労が忍ばれますが、その後の大型空母が全て装甲空母になったわけですから日本人にも先見の明があったわけです。
ミッドウェー級はそれを基準排水量47,000㌧ 全長295mという大きさで実現したが、それでも重心を下げるためその乾舷はエセックスより低いものであったと聞き及びます。

そこで、改大鳳型は○急計画にあった大型空母をこれにあてて想定すれば飛行甲板装甲化も出来るし、戦後の空母として英海軍のアークロイヤル級と同様に就役後も息の長い艦として活躍できたはずです。実は、基準排水量45,000㌧から50,000㌧のG14という計画がありました。無論装甲空母でおそらく、米海軍のミッドウェー級に近いものになったはずです。

長谷川藤一氏の著書、“軍艦メカ・日本の航空母艦”に5021号艦の完成予想図があります。素晴らしい空母であったことが分かりますがこの艦に関する仮想は次回にしたい。