2.信濃級
「信濃」横須賀 S19.1.10(1943)
「111号艦」呉・・・建造中止
実際には空母として完成しましたが、竣工が戦争末期であった為空母として活躍するシーンは仮想戦記でもほとんど見受けられません。改造時期をミッドウェー海戦後ではなく、開戦直後に着手するという設定にすればマリアナ海戦にも間に合い、別働隊戦力として思わぬ方向からの攻撃ができたかもしれず、戦力的な価値が高まったはずです。最新鋭の直衛機としての紫電改、攻撃用戦闘機烈風改を乗せた信濃は活躍する要素が十分あったと思います。
また、大和型3番艦の戦艦として書かれた場合は高角砲が98式10㎝連装高角砲12基24門になっていますがこれは原案のとうり、このままでよいと思います。問題は前後の15.5㎝副砲をどうするかです。この副砲を大和と同じままにした案と98式10㎝連装高角砲に換装し、更に4基に増設した案の2つを提案します。が、この案どなたか図示して頂けませんか?
話はそれますが、ミッドウェー海戦に敗れてからの日本海軍はあわてて改造や改修に力を費やしそのため新造艦や量産艦の建造が遅れるというようなことになってしまったわけです。もてる米国海軍はアラスカなど無駄な艦を造っても平気な顔をしているのだからえらい違いですね。誰が見たって一番の無駄は「伊勢」「日向」の改造ですよ。あの2艦にあんな無駄な工数を掛けたりしなければ戦時急造空母の起工・竣工はもっと早まりマリアナ沖海戦の結果は違っていたかもしれません。
また、これも“もし”ですが、空母用の蒸気(油圧でもよい)カタパルトさえ出来ていたら高速商船の改造も必要なく立派な兵員輸送艦や各種の母艦として彼女たちも存分に働けたと思うのだが…。事実加賀の飛行甲板にはカタパルト設置の用意がされてあったわけですから…。
話はもっと飛びますがなんで海軍に全く関係のない長野県=信濃国が戦艦の艦名として上奏されたのでしょう。確たる答えは永遠に得られないような気がしますが信濃はなんとも謎の多い艦です。
戦艦物語として考えるとこのようになります。
戦艦「信濃」と「紀伊」。完成後第一艦隊第2戦隊を編成。主な改良点、完全に機動部隊の防空担当艦としての戦術に対応するため、防御を対40㌢として装甲厚を35.5㎝に減じる。その結果、最高速力は29㌩となった。大和の改良すべき点として問題のあった重油移動による傾斜復元は廃止し、更に応急通風用給気口を艦の前後と左右に設置し戦闘時の被弾よる機関への給気口を完全に確保した。また、15.5㎝3連装副砲を廃止して前後副砲の跡に98式65口径10㎝連装高角砲各々2基を装備し前方後方の高角砲の死角をなくした。また、射撃指揮装置も新型の0式高速射撃指揮装置(94式を発展させたもの)に換装された。更に前部非装甲区画の浮力確保という目的でコルク材の壁面装着を考えたが防火上の見地からこれは見送られた。
また高角砲を含めてレーダーと射撃指揮装置との連動が可能になったので、3連装ながら交合撃ちは各砲左→中→右での発射が可能になり、間断なく試射ができるようになり9門の斉射までの時間が大幅に短縮された。斉射の時の散布界は150m以内である。
基準排水量60,560㌧ 全長263m 幅38.1m 速力29㌩ 兵装46㎝3連装砲×3基 98式10cm連装高角砲14基(16基) 戊式40㎜連装機銃24門 25㎜3連装機銃20基 航続距離15㌩で9000浬 出力160000馬力(艦本式)