10.改秋月型防空駆逐艦4案
※本艦の就役に伴って睦月級は哨戒艦になり番号艦名となった
艦名:昭和16年竣工艦 秋月 照月 冬月 (以上舞鶴)
春月 宵月 夏月 (以上浦賀)
望月 如月 弥生 (以上藤永田)
9隻
昭和17年竣工 満月(みつつき) 涼月 若月
山月 初夏(はつなつ) 高月
早春(はやはる) 弥生Ⅱ 葉月
文月 初月 霜月 (以上浦賀)
清月 花月 大月
里月 早月 夕月
三日月 水無月 神無月 (以上藤永田)
21隻
昭和18年竣工 初秋(はつあき) 八重 皐月(さつき)
吉月(きちづき) 睦月Ⅱ 卯月Ⅱ
松月 白月(しらつき) 長月Ⅱ (以上浦賀)
暁Ⅱ 菊月Ⅱ 新月Ⅱ(にいつき)
東雲Ⅱ(しののめ) 綾波Ⅱ 高波Ⅱ (以上石川島)
琴月(ことづき) 玉月(たまづき) 眉月(まゆづき)
白雪Ⅱ 夕立Ⅱ 吹雪Ⅱ (以上藤永田)
21隻
機動部隊防御用として昭和14年に計画された本艦は 排水量2,700㌧ 全長134.2mという大型船体を持ち、航続距離も8,000浬を有する防空駆逐艦で海軍の傑作艦です。この艦を創るということは先見の明があったということなのですが・・・。しかしこの艦も昭和12年の計画で建造しておけば海戦劈頭の諸海戦に間にあったであろうし、ましてやミッドウェー海戦に本艦が護衛として随伴していれば空母4隻を撃沈されるなんて言うことにはならなかったはず。
まさかその2日後に秋月が竣工しているとは何とも皮肉な話です。たぶん余分な61㎝魚雷発射管を積むか否かで揉めている内に竣工が遅れたのかもしれない。しかし、この艦はもう2年遡って建造しておきたかった艦です。しかも、魚雷発射管等は搭載せずこの位置に更にもう一基、65口径10㎝連装高角砲を搭載してもよかった気がします。米海軍のフレッチャー級の様に…。増加する空母の護衛を考えると、このクラスだけでも更に20隻は必要になります。あと20隻は増やしたいのですが艦名がありません。ご協力して下さい。
随分いろいろな案が浮かびましたが下記の様にしてみました。実際秋月型は帰港の度に5回も改修されたのですから何でもアリなんです。以下私案です。
改1型A → 魚雷発射管を廃止し、中央部にボ式40mm機関砲×4基(当初25㎜3連装機銃)を搭載した初期型。やはり、機銃はビッカースの40㎜(通称ポンポン砲の小型バージョン)よりこの砲の方が優秀であった。英海軍もこの砲を採用したことからもそのことがわかる。この機関砲とVT信管の採用が中空域の対空防御の絶対条件になる。だからこのページの中では遠慮なく採用させていただく。VT信管については何か他の方法でも同様の効果が得られるような気がするが・・・。
改1型B → 61㎝発射管及び魚雷次発装置を撤去。その後に後部居住区を延長して前向きにもう一基高角砲を搭載。昭和17年竣工艦。戊式40㎜を4基にした艦もある。
改1型C→ 61㎝発射管及び魚雷次発装置撤去。その後居住区画に戊式40㎜機関砲を6基装備。18年度竣工艦21隻の内10隻がこの形態になった。
改2型 → 61㎝発射管撤去。後部に3基目の高角砲を軽巡最上の前甲板の主砲配置のように装備する。 低・低・高 という感じになる。
昭和18年竣工暁から吹雪まで。
これらの秋月型は九四式射撃指揮装置を前後に完全装備します。因みに九四式というと昭和9年のことになりますが射撃指揮装置が昭和9年に完成していたのなら巷言われているように、この射撃指揮装置は製作するのに複雑であったなどという問題は開戦までの7年間で解決していたはずであり、量産に適した簡易化もできて当然です。艦政本部の製造課題はこういった2次的なものには向けられていなかった点もあるでしょうが、当時の技術で充分解決できたはずです。九八式高角砲は砲身が長く鋼線砲よりも砲身の肉厚が薄いスマートな砲であり、陸上の海軍基地の対空砲としても配備されていた。実数は不明だがかなりの数が大鳳や秋月級搭載型以外にも存在したのを写真で見ました。
また、350発しか砲身がもたなかったなどということも巷言われていますがこれも現場ではあまり問題にされていなかったようです。砲身の件は艦自体にその研磨装置を乗せたという記述もあります。