77.艦隊補給艦“音戸(おんど)型”


 

 1.音戸(おんど) IHI石川島 昭和47年(1972) 6月11日 竣工 横須賀
 2.間宮(まみや) 日立因島 昭和47年(1972) 6月25日 竣工
 3.速吸(はやすい) 横浜船渠 昭和47年(1972) 8月11日 竣工 舞鶴
 4.風早(かざはや) 大阪鉄工 昭和48年(1973) 4月18日 竣工 佐世保
 5.竜飛(たっぴ) IHI石川島 昭和48年(1973) 6月22日 竣工
 6.大王(だいおう) 日立因島 昭和49年(1974) 4月18日 竣工
 7.真鶴(まなづる) 横浜船渠 昭和49年(1974) 5月13日 竣工 大湊
 8. 波勝(はがち) 大阪鉄工 昭和49年(1974) 6月20日 竣工
 9.知床(しれとこ) 日立因島 昭和50年(1975) 5月15日 竣工 横須賀

【要 目】
 基準排水量28,000㌧  満載排水量42,300㌧
 全長211m ×  幅31ⅿ ×  吃水10.3m
 機関:石川島or神戸川崎製タービン40,000馬力 × 1基   速力25㌩
 11m機動艇 × 1隻  11m特貨艇 × 1隻
【装備】
 3吋Ottメララ自動砲 × 1基  近接ミサイル8連装シースパロ― × 1基
 (後日装備)
【補給能力】
 重油9,500㌧      航空用軽油1,800㌧   エンジンオイル92㌧ 
 5吋砲弾7,000発    その他の弾薬 10万発    アスロック 80基
 スタンダードミサイル120基  シースパロ―100基  対艦ミサイル 50基
 真水950㌧  野菜50㌧  糧食1,500人分1ヶ月  ウエス7㌧

昭和17~18年に海軍は“速吸”級30隻を艦隊補給艦と輸送艦兼用で建造した。戦後そのうちの20隻は民間に払い下げ油槽船として活躍した。海軍に残った10隻はその後25~30年艦隊補給の任についたが昭和40年代になると老朽艦となり任務に支障をきたすようになった。昭和45年にやっと予算化され47~50年の4年間で代艦が次々と竣工した。老朽補給艦は名前を挙げた上記の9隻と殿艦川尻(かわじり)であったが川尻以外は新型艦に艦名を譲ると同時に交代した。新型補給艦は民間のタンカーを基本にしているが速力は25㌩となり航行中の機動部隊に早く合流できるようになった。またヘリ輸送を積極的に導入し輸送ヘリ2機分の格納庫を設けた。さらにミサイル本体など各種兵器が補給の中心を占めるようになり、先代の補給艦とは物資も補給手段も違ってきた。各基地に1隻ずつ配備されたが呉が補給本部であるため4隻が集中配備されている。艦名は先代“速吸”に引き続き岬の名に由来する。