三菱:烈風二一型

 

  全幅 14.00 × 全長 10.984 × 4.28m

(翼折りたたみ時幅7.1m 翼端3.45)  

自重3,266kg   全装備自重4,720kg

  発動機:三菱日産А-20木星改 空冷星形18気筒過給機付き2,400hp

  最大速度685km/h   上昇力:高度6000m迄456秒(性能改善後)

  航続距離2,100q

  武装:20o長砲身機銃 × 4基 12.7oマウザー × 2

 

ライバル機に該当するF8Fの諸元を記します。

  全幅 10.82 × 全長 8.43m × 4.17m   

自重3,320kg   全装備重量4,387kg

  発動機:PW R-2800-30w星形複列18気筒2,380HP

  最大速度682q  上昇力6,000mまで454

  航続距離2280q

武装:12.7o × 4 又は20o × 4

 

 米海軍のF8Fは従来機より高さを除いては相当小型になった。しかし、他の新鋭機種をみると小型化を目指して成功したのはF8Fだけで、他の機種は皆エンジンの大容量化と共に大型化している。本機は奇跡のような機体です。

 “烈風”だがこの大型機体でF8Fに勝てたかという疑問がつきまとう。駐機面積を比較してもF8Fは烈風の60%程の面積しかなく、同じ面積では烈風6.5機に対してF8F11機も搭載できる。翼を折りたたむ機構を工夫しないとこの差は埋まらない。烈風はF8Fの対抗と見るよりF4Uコルセアの対抗馬と見た方がよいように思う。上昇速度の差が1分もあるから運動性では勝てない。 海軍は“烈風”を零戦並に小型化し、А20発動機を積んだ機体を開発する必要があるのではないだろうか。この機体どなたか三面図書いて頂けませんか?募集します。名前も!

 

 コルセア諸元の諸元を示してみました。

  全幅12.49 × 10.46 × 4.48

  自重4,074kg   全装重量5,461kg

  発動機:PW R-2800-8 2,130hp  速度670q/h

  上昇力6000mまで642秒(エンジン換装後454秒)

  航続距離3,444q  武装:12.76

上の諸元からは“烈風”はF8FベアキャットがライバルではなくF76FヘルキャットとF4Uコルセアのそれであり、製作にもたついている間にF8Fと誕生時期が重なったというのが正解かもしれない。本稿では17試艦戦ではなく15試艦戦として昭和15年(19404月設計開始、17年(19421月・初飛行、翼折たたみ部を水平主翼のすぐわきに改修した二一型を5月生産より開始、昭和18年初頭より実戦配備ということにしました。生産機数は5,360機であった。